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黛敏郎:シンフォニック・ムード
黛敏郎:シンフォニック・ムード
ニュージーランド交響楽団

定価: ¥ 1,250
販売価格: ¥ 1,250
人気ランキング: 130458位
おすすめ度: 
発売日: 2005-03-01
発売元: Naxos
CD全体が丁寧な労作
黛敏郎の比較的初期の作品が収められた珍しいCDです。特にシンフォニック・ムードは演奏会で扱われたことはありますが、確かに録音がでたことはありませんでした。このシンフォニック・ムードは黛が21歳という年齢の作品に関わらず将来大シンフォニストとなるであろうことを予感をさせるものです。ともかく手馴れていて、巧いんです。どうすればオーケストラを鳴らすことができるかを物凄く良く心得ている。1950年の日本の状況を考えるとこれはとんでもないことです。
そして、このCDの圧巻は片山杜秀氏による解説です。堂々13頁(英文翻訳も含めると24頁)にわたる解説には、片山氏による黛論が展開されており、黛がその特性をどのように身に付けていったかを自在に語っています。片山氏にとっては、この時代の記述は自家薬籠中のものとなっておりその博覧強記と自然な語り口は、読者を瞬時にその時代に送り込むタイムマシーンとなっており、ただただ脱帽するしかありません。
このような超一流の評論家のライナーノートを前にしたら、自己の言語を持たない他人の借り物を単に頼りにするだけの世の三流評論家は筆を折り、口を閉ざすべきでしょう。
このCDには他に舞楽と曼荼羅交響曲そして最初期の管弦楽作品であるルンバ・ラプソディーが入っています。演奏はとても丁寧なもので、舞楽第二部の打楽器による独特の拍はその緊迫感において新たなものとなっています。鮮明な音質で輪郭がはっきりした素晴らしい演奏と録音です。ともかく、CDがその全体として質が高いのです。表紙の古賀春江画伯の「海」もいいし、CDジャッケトの内側の面のドイツ語で書かれた日本地図のデザインもいいんです。
丁寧に仕事をした人々の労作です。橋本国彦の作品集以来のきちっとした仕事です。正当な評価が下されるべき近年まれに見る見事なCD(作品)といってよいでしょう。
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